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2025年02月24日
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ひとつ屋根のした~イノベ兄弟物語(仮)
2009年01月06日
ぶっちゃけて言うと彼らは自分で稼いでいるわけでもない金で優雅に何もせずに暮らすいわゆるロイヤルニートであるわけだが、中には例外も存在する。趣味と興味の延長が、たまたま所得に繋がったという世の趣味人から恨まれそうな経緯であるために仕事と言うのは正しくないかもしれないのだが、とにかくティエリア・アーデとアニュー・リターナーの二名は、兄弟の中では辛うじて自身の所得を有していた。
しかしどちらかと言うとおっとりしたアニューに持続性があるのと違い、ティエリアはどちらかというと飽きっぽい性質だ。それでも兄弟達の中ではマシな方で、例えばリジェネ・レジェッタやヒリング・ケアの興味が三時間以上続いているところなど見たことがない。忍耐強いという意味ではブリング・スタビティがそう見えるが、彼は口数が少ないだけであった。
さて、そのロイヤルニートの親玉とも言える長兄のリボンズ・アルマークは、先だってアレハンドロ・コーナーという資産家から、先祖代々の財産を華麗に奪い取ったばかりであった。もちろん合法的に、しかし相続税など1セントも払わずに。既に充分すぎるほどの資産を持つくせに、さらに増やしてどうするんだとかつてティエリアは不思議に思ったものだが、どうやらそれこそがリボンズの趣味のようなものらしいので黙殺することにした。何にせよ、リボンズ・アルマークを理解出来るとは思っていないし理解したくもなかった。
「ねーえティエリア!」
ソファの背もたれ越しに延びてきた細い腕がティエリアの首を絞めた。タイムスに目を通していたティエリアは眉を顰める。可愛らしい声を出すくせに馬鹿力なのがヒリングの特徴と言えば特徴だった。何せ彼女は戦闘型なので……何だ戦闘型って。
「痛い、離せ」
「次のウィークでワンピース作ってくれたら離してあげる!」
「いやだ」
「なんでよー」
「ぐっ」
ギリギリと締め上げられて真面目な話息が止まった。どうしてくれようかこのクソガキ、と年の変わらぬ相手に悪態をつく。かろうじて体重では勝るのだから、と首に回る腕を掴み返そうとしたティエリアは、しかし自分でどうにかする前に解放された。
「いたっ! 何するのよリジェネ!」
「君と違ってティエリアは可愛くてか弱いんだから、馬鹿力で触らないでくれないか」
「ちょっと抱きついただけじゃない!」
あーもーうるさい、とティエリアはため息をついた。この二人はお互いがお互いに反発するのだから近寄らなければいいのに、何故かこうして気が付けばぎゃあぎゃあと言い争っていることが多い。一人だけでも充分すぎるほど煩いのに、相乗効果で余計に煩い。しかし不思議な事に、それを煩いと感じるのはこの家ではティエリアと、リヴァイヴ・リバイバルだけのようなのだ。他のやつらは感覚がどうかしているんじゃないのかと疑っている。例えば、向かいでサーモン・ピンクの紙面を捲っているリボンズだとか。
「なにさリジェネのブラコン!」
「君にだけは言われたくないよ」
ちなみに、面倒なので兄弟とひとくくりにしてしまっているが、今だ名前のあがっていないディヴァインも含め彼らは表向きいとこだとかはとこだとかそういう親類関係だ。表向きは。真実は、まあ、世の中知らない方がいいこともある。
サーモン・ピンクの紙面を丁寧に畳んだリボンズが立ち上がった。リジェネとぎゃあぎゃあ言っていたヒリングの興味があっさりとそちらに移ったのは、彼女も立派なブラコンであり、興味が五分以上同じところに留まるのが珍しいからである。
「リボンズ、どうしたの?」
「うん、ちょっとね」
長兄らしく穏やかな笑みを浮かべたリボンズ・アルマークはこう言った。
「ウェッジウッドを買収してくるよ」
……や、ウェッジウッドの破綻がショックだったので。あそこのティーセットは憧れだった。ちなみにリボンズが読んでたのはフィナンシャル・タイムズ。あのピンクは初見でびびる。
イノベ書こうと思ったらどうしてもこんなんになっちゃうので、前回のコピー本は女装本になりました。
しかしどちらかと言うとおっとりしたアニューに持続性があるのと違い、ティエリアはどちらかというと飽きっぽい性質だ。それでも兄弟達の中ではマシな方で、例えばリジェネ・レジェッタやヒリング・ケアの興味が三時間以上続いているところなど見たことがない。忍耐強いという意味ではブリング・スタビティがそう見えるが、彼は口数が少ないだけであった。
さて、そのロイヤルニートの親玉とも言える長兄のリボンズ・アルマークは、先だってアレハンドロ・コーナーという資産家から、先祖代々の財産を華麗に奪い取ったばかりであった。もちろん合法的に、しかし相続税など1セントも払わずに。既に充分すぎるほどの資産を持つくせに、さらに増やしてどうするんだとかつてティエリアは不思議に思ったものだが、どうやらそれこそがリボンズの趣味のようなものらしいので黙殺することにした。何にせよ、リボンズ・アルマークを理解出来るとは思っていないし理解したくもなかった。
「ねーえティエリア!」
ソファの背もたれ越しに延びてきた細い腕がティエリアの首を絞めた。タイムスに目を通していたティエリアは眉を顰める。可愛らしい声を出すくせに馬鹿力なのがヒリングの特徴と言えば特徴だった。何せ彼女は戦闘型なので……何だ戦闘型って。
「痛い、離せ」
「次のウィークでワンピース作ってくれたら離してあげる!」
「いやだ」
「なんでよー」
「ぐっ」
ギリギリと締め上げられて真面目な話息が止まった。どうしてくれようかこのクソガキ、と年の変わらぬ相手に悪態をつく。かろうじて体重では勝るのだから、と首に回る腕を掴み返そうとしたティエリアは、しかし自分でどうにかする前に解放された。
「いたっ! 何するのよリジェネ!」
「君と違ってティエリアは可愛くてか弱いんだから、馬鹿力で触らないでくれないか」
「ちょっと抱きついただけじゃない!」
あーもーうるさい、とティエリアはため息をついた。この二人はお互いがお互いに反発するのだから近寄らなければいいのに、何故かこうして気が付けばぎゃあぎゃあと言い争っていることが多い。一人だけでも充分すぎるほど煩いのに、相乗効果で余計に煩い。しかし不思議な事に、それを煩いと感じるのはこの家ではティエリアと、リヴァイヴ・リバイバルだけのようなのだ。他のやつらは感覚がどうかしているんじゃないのかと疑っている。例えば、向かいでサーモン・ピンクの紙面を捲っているリボンズだとか。
「なにさリジェネのブラコン!」
「君にだけは言われたくないよ」
ちなみに、面倒なので兄弟とひとくくりにしてしまっているが、今だ名前のあがっていないディヴァインも含め彼らは表向きいとこだとかはとこだとかそういう親類関係だ。表向きは。真実は、まあ、世の中知らない方がいいこともある。
サーモン・ピンクの紙面を丁寧に畳んだリボンズが立ち上がった。リジェネとぎゃあぎゃあ言っていたヒリングの興味があっさりとそちらに移ったのは、彼女も立派なブラコンであり、興味が五分以上同じところに留まるのが珍しいからである。
「リボンズ、どうしたの?」
「うん、ちょっとね」
長兄らしく穏やかな笑みを浮かべたリボンズ・アルマークはこう言った。
「ウェッジウッドを買収してくるよ」
……や、ウェッジウッドの破綻がショックだったので。あそこのティーセットは憧れだった。ちなみにリボンズが読んでたのはフィナンシャル・タイムズ。あのピンクは初見でびびる。
イノベ書こうと思ったらどうしてもこんなんになっちゃうので、前回のコピー本は女装本になりました。
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