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2024年05月02日
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002nd#05「故国燃ゆ」

2008年11月02日
■罪の意識

 カティさんは軍人として冷徹な判断を下せる人なので、その彼女を「甘い女」と言うアロウズは、軍人としてカティさんとベクトルがまったく違うんでしょう。今回はアロウズのそのカラーを特に強調した回だと思います。
 小説版3巻を既読だと良く分かるのですが、ソーマが「旧式のMSで」というようなことを言っているのは、ヨハン・トリニティがかつて三陣営に向かって思っていることと同じです。これまでガンダムを見上げる側だったソーマが、今度は見下ろす側になった。そのギャップを違和感(=罪の意識)として感じるのは人間としてとてもまっとうなことなんですが、アンドレイをはじめとして、アロウズではそれは異端な感情です。特にソーマの場合、超兵という特殊事情と、セルゲイ大佐との養子縁組をする決心をするという状況がタイムリーに絡まって、ものすごい罪悪感を抱くことになる(ほんとは関係ないんですけどね)。これ、アロウズ離反フラグかなぁ。それとも内側から変えていくフラグかなぁ。カティさんやセルゲイ大佐は後者だと思うのですが、ソーマもそれについていくかな。

 ここでセルゲイ親子の関係として、王道『母親が死んだのは父親のせい』パターンが絡みます。息子は父親が『母親を死なせた罪の意識を持っていない』と思っている。だから父親と同じ事をして、父親を見返そうと思っている。その思いが強すぎて、他人に対して自分がかつての父親と同じことをしていることに気づかない。アンドレイの成長の余地は多分そのあたりにあって、ルイスが絡んでくるのかなぁOP的には。このあたりには確実に息子と父親のすれ違いがあるので、誤解を解けば和解、という方向に行くような気もします。

 ワンマンアーミーだけれども、やはり異端なのがミスターブシドー。彼は孤高でいようとして、結局出来ないタイプかな。今は免許とやらのおかげで「興がのらん!」の一言で済みますが、彼もそのうち組織か個人かの選択を強いられる日がくるのかなぁ。その時、ビリーとビリーの手による新型が、その選択を助けることになると思うんですが。
 ところであの仮面、右にレンズ入ってますか? 視力落ちたんですか。

 ラストに完全なるワンマンアーミー、『罪の意識? なのそれ食べられるの?』なアリー・アル・サーシェス氏の登場により、世の中結局理屈じゃないという話になった気がします。ほんとこの人強烈だなぁ。
 この人一期から直接リボンズと繋がってたってことでいいんですかね。そうすると結構気になることがまたあるわけですが…気のせいという気がしなくもない。
 「そのまさかよぉ!」で、そのあたりだけ見てた弟が『聞こえたのかよ』ってツッこんでました。うん、それがガンダムだ!

 沙慈はこれまで完全に被害者でしたが、ここで(間接的にとはいえ)加害者になる、と。本人がそれこそ罪の意識を持ったということがポイントかな。今の彼はすごく視野が狭いというか、一方向だけしか見えていなくて、それはソレスタルビーイング(=刹那)という非常に知覚に見えやすい象徴があるからなんでしょうが、今世界で起きてる全てのことが刹那のせいに見えているところがあったと思います。それが、自分のせいで不幸が起きたという現実があって、彼の世界が劇的に変わるんだろうかと。
 ルイスがどんな紆余曲折があったにせよ現在加害者なので、彼女を理解する上でも沙慈が加害者になるってことは必要な展開だったのかな。

 刹那は罪の意識をずっと持っていて(「この世界に神はいない」を悟って以来)、そのために死ぬなら構わない。その場合、救われるのは刹那と罪の相手(例えば絆回のロックオン)だけであり、それでも刹那としては満足だけれど出来ればもっと多くを救いたい。彼にはベストがなくて、ベターで全てを判断しているように思えるなぁ。それをベストにしたい、と意識を変えるきっかけは、マリナさんなんでしょうが。
 「あそこには戻れない」けど、戻りたい。それをしてはいけないと分かっているし、戻ってはいけないと思い込んでる。本当は戻ってもいいんですよ。実際マリナさんが許可している。けれどそれではやはり刹那は誰も救えないことになる。刹那自身は穏やかな何かを手に入れるでしょうけども。そのあたりを乗り越えて、刹那がマリナさんの傍に居場所を見つけることが出来るようになるのが、ある意味この作品の最大テーマなんだろうな、と思いました。何せ主人公ですからねぇ。

■あんたの国だ

 この刹那の台詞はすごく印象に残りました。マリナがどれだけ重いものを背負っているか、同時に刹那がどれだけマリナに期待しているか、それが滲み出てる台詞だと思う。
 それを考えると、マリナさんはこれ以上になくヒロインで、凄い人なんだなぁと思えます。もしくはこれから凄くなる人。ガンダムと並んで、物語の象徴である人。シーリンの「流石シンボルと言ったところね」という台詞が、これからそんなこと言ってる場合じゃなくなるような気がします。

■カタロン側の事情

 ソレスタルビーイングはある意味目立ちすぎているので、世界を変えるという意味では、世界中に広まって、より多くの人間が今の世界に疑問を持っている、というカタロンの在り方の方が長期的に見ると効果的に思えます。直近でみると、カタロンはインパクトが弱いので世界に対する効果がないように見えますが。
 シーリンが現実的なものの見方(「CBを取り込むのは無理なようね」)をしているのに対して、クラウスは理想主義者っぽいですね。食うか食われるかの世界で、協力なんてあまっちょろい、結局利用するかされるか、ってこととシーリンは認識していて、クラウスは「私はそう信じてる」と言い切る。トップと参謀としては理想的な組み合わせですけどもね。

 で、ライルはCBを内部から客観的に見ているので、CBが結構複雑な内部構造をしていることを感じ取っているのであの反応なのかなと思います。現在のCBは目的は戦争根絶というか対アロウズなんですが、特にマイスターは前々別方向に視線が向いているところがあります。刹那ならマリナ、アレルヤはマリー、ティエリアは謎ですが、そのあたり、結構バラバラなところをライルは感じ取っているのかな、と。
 で、三木さんすごいなぁと思ったのは、ニールとライルで怒りの表現が違ってるところ。ライルの方がより直線的、ニールの方がドロドロしてるような気がする。双子とは言え兄と弟という性格の差がよく出てると思いました。
 来週ライルは沙慈と何かあるかな。

■ひとり増えた

 やっとひとり増えました。凄い名前ですね、リヴァイヴ・リヴァイヴァル。凄く何回もやり直さなきゃいけない感じです。
 ここでポイントだったのが、リジェネがすごく嫌そうな顔しているのと、リヴァイヴがリボンズに対して丁寧語だったことですか。リジェネはリボンズには対等だと思っているけれども、リヴァイヴはリボンズの下にいる。そしてリジェネはそれが気にくわない。そんな図でしょーか。ただの個性だったら笑うけど。
 何か新型みたいな名前出てきてたけど忘れました…。

■ティエリア!

 君、何しにわざわざカタロンくんだりまで行ったの!
 というのはまあ結構真面目に思いましたけど。いや、だってマイスター全員出払うのってどうなんですか。しかもセラヴィーすら持ってこないし。ひとりくらいトレミーに残してください怖いから。
 実際ティエリアが同行したのって、刹那との「そのまま戻ってこなくてもいい」「冗談を言うな」をやらせるためだけだと思います。そのあとのアレルヤの「この四年間に何があったの」「本気で言った……冗談だよ」のために彼はあそこにいたのだと思う。伏線という意味でですね。
 本気か冗談かで言うと、刹那に言ったことは限りなく本気だと思いますけども。
 このやりとりを聞いたとき即座に思ったのは『ああ、ティエリアはCBをゆるやかに解体したいんだな』ということでした。反射的に思ったので、段階的な推論ではないんですが、個人が個人でいることを肯定しているというか。
 一期のティエリアは、個を殺して組織に殉ずることが最上と思っていて、それが変わって今の彼がある。それは言葉にしなくとも情報を共有出来るらしい(=個がない)イノベーターとは真逆の位置にいるということで、そのあたりの対立をわくわくして待ってます(そればっかりだ)。
 あと気になるのはライルがカタロン構成員ってことを認識してるのかどうかってことと、留美が「ティエリアたち」と言ったこととか、多分トレミーにはケルディムに乗って帰ったんだろうってことです。

 ところでBDレコーダーを買って接続したので、今日始めてHDD地デジ録画したんですが、
 あまりの綺麗さにもう二度とVHSは見られないと思いました
 以上、お付き合いありがとうございました。

 あ、言い忘れてた。リジェネかわいい!
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